【ビートをチューンする】

 BEATを入手してからは、おじさんは年甲斐もなくあれやこれやと少しずつ手を入れています。
 肝心なボディー強化は、サイドメンバにウレタン注入という手法が有効であるようですが、今のところ手を入れていません。
早い時期に着手しなければならないのですが、時間と予算の関係で、順序はいろいろ変わります。
 そんな中で、モディファイしたところを順次記録していこうと考えていますので、これからいじってみようと思われる方には良くも悪くも少しは為になるような気がします。

▲写真が全くないので、寂しい限りですが、夏には車検がやってきますので、ブッシング類の交換を考えています。 そのときに詳細に写真を撮ろうと思いますので、しばらくはテキストのみと言うことで、我慢してください。

■エンジンECU 
■サスペンション
 
■アーシング

■ナビ

■ボディ補強
■タイヤ・ホイル
■ブレーキディスク&ロータ
■フロントアンダーカバー
■グランドエフェクタ

 

【エンジンECU】

 言わずと知れたROMチューンという奴です、実際に書き換えをして頂いたのは関西系の「レーシングチームのチューナー」と言うことでしたが、ハイオク仕様の燃調と点火時期の調整、車速リミッタカットを行って貰いました。 シビアなチューンと言うことになると何度かのトライ&エラーが必要ですし、車齢11才のBEATには酷なので、最適化の範囲で留めています。
 モディファイ後は、全域にわたってトルクがアップしたような気がしますが、客観的なデータは取っていません。

■交換方法

1.助手席側のシートを一番前まで出して、書類入れを外します。

2.センターコンソールの最後部下のタッピングねじを外します。

3.
センターコンソールにつながる、最後部のカセットケースを外します。

4.
エンジンルームと車室の隔壁となっている、リアアンダーボディ最上部のモール状のものを外します、名称が不明ですが、これには見えるところに4本のビス止めがあって、トノカバーを取り付けられるようになっています。

5.
助手席側のリア部の内張を剥がすのですが、数カ所グロメット止めになっているところがあります、車齢11才の身としては、これらすべてが硬化していて、外そうとするとボロボロと崩れ落ちてしまいましたが、これは、ホームセンターの建材関係の売り場にある石膏ボード用アンカーと頭の大きめなステンビスに交換することで、再生は可能です。 こうすることで、何度でも心おきなく脱着が出来るようになるので、一石二鳥でしょうか。

6.
内張を1/3も剥がせば、吸音材の陰からエンジンECUが顔を見せます。下の方にコネクタがありますので、これを外し、3本のボルトを外せばいとも簡単にECUは外せます。

7.
ROMチューン済みのECUを取り付けて、今度は逆の手順で復元すれば、すべては丸く収まり、何事もなかったかのようになります。

 

【サスペンション】

 本当は、バネ交換と同時にショックも交換するべきですが、これは予算の関係で見送りです。 少し乗り慣れてくると、BEATは思いの外ロールによる姿勢変化が大きいことが分かりました。

  リアにスタビがないことも一因ですが、エンジンのマウント位置が車の印象よりは結構高いところにあるのも寄与しているようです。

 BEATに限っては、おとなしく、又は少し元気にコーナリングを行おうとすると大アンダーが出てしまい、ひとつも頭が内を向いてくれません、これを解消するためには、フロントのグリップ強化というのが常套手段ですが、アンダーパワーな車には必ずしも最適な方法とはいえません。

 むしろ、コーナーアプローチ時に素早く加重を外に振ってやることによる慣性ドリフトを起こしやすいセッティングが有効ではないかと考えています。

 無論グリップ走行ではないので、それなりのリスクはありますから、道路状況に応じた運転をするというのが大前提で、血気盛んな若者には真似の出来ない芸当(HOTに攻めていても冷静な状況判断)ではなかろうかと思いますが…

  早い話、姿勢変化を柔らかいサスで吸収せず、よりピーキーな挙動にすることによって、アンダーパワーを補おうとする目論見です。

 交換後、実際には思ったほどの堅さにならず、小さくはなったものの相変わらず結構なロールでライントレース能力は高くはなりませんでした。ノーマルに比較するとバネレートは約50%の強化なのですが、ショックを変更していないので、路面の荒さばかりを拾う結果となっています。やはり、ショック交換の必要性があります。この感じだとバネレートも150%位引き上げても良さそうな感じがしますので、再挑戦する必要があるのではないかと感じています。

■交換方法(フロント)

1.ボンネットを開けると、サスペンションの取り付け部が見えますので、中心のショックのシャフトを先ず緩めます、ここでは緩める程度にしておき外しません。

2.
上記のボルトを中心とした対角上に2本のボルトがあり、これでサスペンションがボディに固定されていますので、これも緩めます、同様に外しません。

3.通常にジャッキアップをして、タイヤを外します。

4.ブレーキホースがサスペンションに固定されていますので、このボルトを外します。

5.作業性を良くするために、キャリパ部をそっくり外します。 このとき、ブレーキホースに無理な力がかからないよう慎重に作業します。キャリパ部が外れると、ブレーキホースでぶら下がる状態になりますので、そろっとぶら下げておきます。 キャリパ部を組み付けるまで、間違ってもブレーキを踏んではいけません、キャリパ内のピストンが出てきてしまったら、そう簡単に押し戻すことは出来ないので、エア抜きと同じ作業が増えてしまいます。

6.サスペンション下部とブレーキディスクの付いている車輪部が1本のボルトで締められていますので、これを外します。

7.普通は、ここでサスコンを使って、バネを締め上げていくのですが、私が非力なことと、軽自動車の狭いホイルハウスでは非常に作業性が悪く、サスコンのものによっては、シャフトが長くて充分に縮められなかったりするものですから、もう1本ジャッキを持ってきて、サスペンションアームの最も外側の部分をジャッキアップします。ジャッキアップポイントは慎重に探してください。滑って外れそうなところは避けて、慎重に上げていきます。 これに連れて、当たり前ですがバネも縮んできます、ボディ側に当てたジャッキが緩くなったらそこでストップです。 このときボディ下にコンクリートブロックなどを入れて万一の事故に備えることも忘れずに、体や足などの一部がボディ下に入らないように常に腰を引いて作業することも忘れずに。 こんなことして挟まっても誰も責任取ってくれませんから。無論私も。

8.充分に縮んでいるバネへ、350mm程度の結束バンドで縮んだバネを固定します。結束バンドはちゃんとメーカー名の入っている新鮮なものを使ってください。結束バンドの有名ブランドはCONVEXと言い、芝軽祖材(株)と言う会社の製品です。他にもあるでしょうが、CONVEXがあまりに有名なので、他を知りません。 引っ張り強度は、同社のCV350N(350mm)で55kg、 CV450N(450mm)で80kgです。▲1

 BEATの車重と重量配分から計算すると、フロントバネ1本で約165kgを支えていることになりますので、応分の本数のバンドで固定します。 実際には3本必要な計算ですが、破断限界はもっと上の方にあるようなので、厳密である必要はないと思いますが、新鮮でないバンドの場合(「開封後はお早めにお使いください。」と書いてある)、極端に強度が落ちますので、自殺志願の方以外は新品を買いましょう。ただし、100本入りのCV350などを買うと、サスコンよりも高く付くので、あしからず。

 固定するときに、親の敵とばかりに締め付ける必要はありません、むしろ複数本のバンドを均一に締めるように心がけることが大切です。 また、締め付けに夢中になって、車を揺するようなことのないよう充分注意します。

9.サスの下から持ち上げているジャッキをゆっくり降ろしていきます。このとき、バンドに不均一に力がかからないように注意します。

 また、ボディ側のジャッキがちゃんと機能していることも確認します。 ジャッキを降ろすに連れて、またサスは伸びてきますが、これはバネの力ではなくバネ下重量と言われる部分で引っ張られているからです。

10.ジャッキが完全に外れたら、今度は、40cm程度の鋼材、もしくはハンマーの柄などで代用も可能ですが、これをサスペンションアームの間からバネの下部のツバにあてがい、ジャッキでゆるゆると上げていきます。 これでサスそのものを上げていっているので、時々車輪側をたたいてやると、サスの下部が外れてきます。

 この部分は約50mm程度入っていますので、ゆっくり上げては叩き、叩いてはゆるゆると上げると言うことを何度か繰り返します。決して焦らずに。

11.ついには、ゴトンと外れますので、上部のボディ側のボルトを外して、サス全体を抜き取ります。

12.ショックのシャフトのボルトを外すと、何点かの部品が外れますので、外した順番に並べておきます。

13.バネを抜き取ります。バネ単体になった状態で、結束バンドをニッパなどで切ります。

 このとき、かなり激しくバンドが飛び、バネも激しい勢いで伸びますので、周囲や自分の顔、手足などに充分注意して切ります。 切らないまま放置することは非常に危険ですから、なるべく早いうちに切っておきましょう。

14.組み込むバネを結束バンドで締め付けます。 バネ単体なので、両手両足を使って渾身の力で均一に締めていきます。

 あらかじめ、どの程度縮める必要があるのかを計っておくと、無駄な労力を少しでも減らせます。

15.新しいバネをサスに入れて、分解したときの手順を逆に辿って作業を進めると、交換作業は終わりです。
サスペンションは走行中は常に振動している部分なので、各部のボルト等の締め忘れがないかしっかりチェックし、ついでに締め付けの確認もするべきです。 走行中にサスが外れるなどと言う恥ずかしいことにならないよう、指差呼称を励行しましょう。

  基本的に、このような交換方法では、調整が必要になる部分は一切外していませんので、アライメントが狂うことは考えにくいのですが、交換したバネで車高が変化するような場合は、キャンバ角が若干変化します。 無理にゴリゴリ作業をした場合にはトーインが狂うこともあるようですので、ディーラーなどで再調整をして貰うと、より気分が良くなります。

■交換方法(リア)

 手順はほとんどフロントと変わりません。
・ブレーキキャリパを外さなくても作業が出来る、
・リアサスの荷重は約226kg/本であるので、結束バンドの本数を再考する、
などが注意点です。

※2004/05/31追記

 芝軽素材の結束バンドは、安全のため破断限界以前にロック機構が壊れるように設計されていることが解りました、これのお陰で、上記のような用途には適しません。
 もし使うとすればCV600程度のものが必要となります。 しかし目ん玉が飛び出るほど高価なので、他社製品にするか一般に番線と呼ばれている、建築やさんが使う太い針金が良いようです。
▲1芝軽粗材(株)の資料より引用。

 

【アーシング】

 個人的には、と言うか電気電子産業の関係者としては、 そんなに気にするほどのものではないと感じていたのですが、 最近の流行らしいので、お手軽さも手伝って、早速実施してみることにしました。

 車のボディを導電体として考えると、決して良い部類ではありません。 通常の電線でも若干の抵抗があります、また、プラグコードなどは 太い線を使用しているにもかかわらずかなり高めの抵抗値を持っています (これには別の理由があるのですが…)、車の車体は通常バッテリーの マイナス側が接続されていて、車体全体にマイナスの電荷を持たせてあります。

 そしてプラス側を電線で引き回して、たとえばヘッドライトなどへ繋がり ランプの反対側の電極からボディーへ落とされています。

  電源配線で、エンジンパワーに影響を与えそうなのが点火系、インジェクタ、くらいでしょうか?点火系はデスビ内にポイントと呼ばれる高圧電流を切り替えるスイッチが付いていますので、このポイントの後ろからプラグコードを流れてプラグの先端で放電しグランド(この場合はエンジンブロック)に帰っていくラインに注目します。

 無論エンジンブロックにはオリジナルのアーシング配線がありますので、これを補うような位置を探します、具体的にはプラグの位置を中心にエンジンブロックの既存のアースとは対称位置に共締めできる場所を探します。

 インジェクタはインマニのエンジンブロック側にあります、インジェクタの正体は電磁コイル(簡単に言えば電磁石)ですから、電流は大きく変動します。出来ればこういう所へは大容量コンデンサを入れて噴射時の電流容量を補うことが効果的であろうと思われますが、場所がエンジンの上なので高耐熱性のものが必要で、105℃程度のものなら安価に入手できますが135℃くらいになるとMIL規格品となり、途端に高価になります。

 しかも、コンデンサの容量によってはディレィが発生するので、点火時期の調整も必要となります。 小銭が余ればと言う程度では済みそうもありません。

  話が逸れましたが、逸れついでに申し上げますと、最近注目のバッテリーに並列に接続する電圧安定化装置のようなものが出回っていますが、これの中身はただの大容量コンデンサです。 バッテリでは追従できない急激な電流の変化をコンデンサで補おうという考えのようで、電源電流の安定化が望めます。これに高周波用のコンデンサも並列に入っていれば、高周波ノイズ成分も除去できるというものです。 でも、たかがコンデンサにしては価格が高いと思います、かなり大容量のコンデンサを奢っても数千円程度ですので、これは自前で何とかしようと考えています。