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'91年式 PP1 HONDA BEAT

■友人が所有していたものを、買い換えるという事になったので、2002年の冬、無理を言って譲って貰いました。
 今まで、多くの車に乗ってきましたが、こんな“Fun to Drive” な車に出会ったのは初めてです。
 以前“セルボ”に乗っていたときは、ミッドシップと言うよりはRRで、エンジン音も“軽トラ”そのものでしたし、フル加速でも普通車の流れに乗るのが精一杯の状態でしたので、ほんの半年ほどしか乗りませんでしたが、それから比較すると(年代が全然違うので“セルボ”には可哀相)、ずっと洗練されています。(“セルボ”の事などすっかり忘れていました、この記事を書く段になって初めて思い出しました。)

【内装】軽と言うよりバイク

 小さいボディでオープンにしたら感覚はまるでバイク、車室に飛び込んでくるエンジン音はかなり大きく、11年目になるボディは明らかに強度不足で、大手術でもしないと改善しそうにありませんが、乗っていると何故か「楽しい」と感じる車です。

【エンジン】アンダーパワー

 660cc 3気筒の4サイクルエンジンは1カム4バルブと言うちょっと変則的な構成(ホンダには良くあるらしい)で、さして回りそうのない感じですが、レブリミッタの9300rpmまで、ストレス無く吹けあがり、ここでもバイクを感じさせます。
 でも、所詮軽ですからアンダーパワーは否めません、かなり引っ張ってもスピードメータを見るとまだこれしか出てないの?と思ってしまいますが、小さな車体、低い目線、元気なエンジン音のおかげで、体感速度は十分です。
 と言うか、この車、止まらないので、これ以上パワーがあったら怖くて乗れません。

【エクステリア】どノーマル

 前々オーナーの手による“MUGEN”のステッカーがやたら貼ってありますが、実は全くのノーマル、と言うかガスショックとおぼしき筒は完全に抜けていると思われ、ブッシュ系もことごとく硬化しているようで、ちゃんと手を入れてやらなければならない部分が多々あります。
 しかし、それ以前にボディ剛性を何とかしないと、足回りだけ新しくしてもバタつかなくなった分だけボディにストレスが来そうです、少し荒れた舗装を走ると、車体の前半部分と後半部分で全く違う動きをしているのが分かってしまうほどなので、いくらオープンボディでも何とかしてあげないと、と考えています。

  毎週末にはこの車で、嫁さんと買い物やアーチェリー教室に行くのですが、パッセンジャーはかなり疲れるらしく、「なんで、こんなちっちゃい車に乗らないといけないのよ、買い物したら私の座る場所もない」と、ブーイングの嵐です。

  真冬に防寒着を着た中年夫婦が、赤いビートをオープンにして、「じっくりコトコト煮込んだスープ」を空を向いて「コーンが出てこない!」とか叫びながら、信号ごとにフルパワーで走っていったら、それは紛れもない私たちです。

  本人たちは、結構楽しんでいますので、決して指を指して笑ったりなさらないよう、お願いしときます。

  40代も後半のおっさんがこんな面白いおもちゃを手に入れてしまったので、これからどんな事になるのかが、楽しみです。