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【D.I.Y. PC(第3回目)】(2002/04/17)

 Do It Yourself PC もいよいよ最終回、もう少しで完成ですから、焦らずに行きましょう。

  1. 【ドライブ類の取り付け】
     前回までで、MBの取り付けが完了していますので、次はドライブ類です。
     ここでは、FDD、CD-ROM、HDDの取り付けをします。実は、これらの取り付けは、MBよりも前に付けられないこともないのですが、CD-ROMドライブ等を付けてしまうと、ドライバが入りにくくなったりして作業性が悪くなります。




    (筐体前面)
     筐体の前面は、このケースの場合は5インチベイをダミーパネルで塞いでありますので、CD-ROMを取り付けるために、パネルをこじて外します、外した後は出来ればヤスリなどでバリ取りをしておいた方がいいと思います、今回はCD-R、DVD-ROMを取り付けますので、都合2枚外すことになります。
     ダミーパネルを外した後は、すぐに取り付けではありません、今回の構成は、IDEバスにHDD、CD-R、DVD-ROMと3機のドライブを付けますので、
        プライマリ、マスタ:HDD
        プライマリ、スレーブ:DVD-ROM
        セカンダリ、マスタ:CD-R
        セカンダリ、スレーブ:<空き>
    と言う構成にしたいと思います、これに従ってドライブのジャンパ設定を各ドライブのマニュアルとにらめっこで設定します、これを忘れて取り付けてしまうと、なかなかジャンパに手が届かなかったり、よく見えなかったりで手探りの作業となってしまい、結局は再度外して設定する羽目になります。
     5インチベイにはCD-R、DVD-ROMを付けるのですが、この筐体は4ベイありますので、なるべく下から付けることにします、少なくともいちばん上のベイは使用しないようにします、これは、内部の熱がどうしても筐体の上方に滞留しがちになるからで、夏場などうっかりCDを入れっぱなしにしてしまうと、メディアがかなり熱くなってしまいます、まさか熱で曲がってしまうようなことは経験していませんが、設置環境が良くない場合は、いちばん上の5インチベイに冷却ファンを取り付けるなどの熱対策をすることも出来ます。
     HDD用には3.5インチベイが4ベイあるうちのいちばん下に付けます、この3.5インチベイの下に吸気用のファンがあるので、これによる冷却を期待しての位置決めです。
     FDDは、この筐体の仕様によると上から2番目の3.5インチベイです、最近の流行らしくFDDの前面パネルは全く外に顔を出さず、FDのみが挿入できるスリットが空いているのみです、このため、筐体の前面パネルを取り付けてからFDDの固定位置を微調整する必要がありますので、仮止めにします。
     CPUに少しでも多く外気を吸わせるために吸気ファンを1コ付けます、この筐体にはアドオンのためのファン取り付け穴が用意されていますので、ここへ付けます、ちょうどCPUとの位置関係も良さそうなので文句ありません。

     ショップへ行くといかにも冷えそうなCPUファンや全銅製のヒートシンクなどが売られていますが、外気を上手に導入してあげるだけで、5〜10℃以上の冷却効果が得られます、工作に自信のある人なら、このファンからCPUファンに向かってダクトを付けることも可能です。
     また、このファンを付けたことにより、吸気8センチ2コ、排気8センチ1コ(電源ファン)となり、若干筐体の内圧が高くなることになります、これにより、長期間使用していても筐体の隙間にホコリがたまることを少なくします、逆に内圧を低くしてしまうと、隙間から空気が流れ込むことになりますので、ホコリが隙間にたまります、最近はファンに取り付けるフィルタなども売っていますので、できれば付けたいところです。
     ファンの電源はMBにコネクタが存在する場合がほとんどです、通常CPUファンも含めると3〜5コ程度のファン用のコネクタがMB上にあると思います、気の利いたMBならちゃんと回転制御もしてくれます、12V+5Vのナイロンコネクタに変換アダプタを付けて電源を取る場合もありますが、これでは回転制御が効きませんので、なるべくMBのコネクタを利用します。
  2. 【配線】
     これで一応ドライブ類を取り付けることができました、この筐体の場合はしっかりした作りになっているので、取り付けに苦労することもありませんでした、前面パネルとの位置決めもねじ位置がしっかり決まっていてきれいに収まっています。
     あとは、電源ライン、信号ラインの配線をするのみです。IDEは通常40列のフラットケーブルですが、プライマリのIDEポートはUATA100対応のためノーマルなIDEの倍の80列のUATA100対応のケーブルを使用します、IDEコネクタは逆差し防止のためのキー溝がありますので、これにあわせてケーブルを取り付けます、このときなるべくケーブルを無理にねじらないように気を付け、もし長さが余るようであればきれいに畳んで結束バンド等でかるく纏めておきます、フラットケーブルの場合、接続すると言うよりは空きベイなどの空間を利用してうまくしまい込むという感じです、無造作に繋ぎっぱなしにすると、平たいケーブルはとても邪魔な存在となります、フラットケーブルの取りまわしがうまくいけば配線作業は半分終わったも同然です。
     あとは、12V+5Vの電源ライン、MBへの電源コネクタを配線します、全体の配線の経路を考え、あまりクモの巣状にならないようにします。

     筐体前面下部に付属している吸気ファンの電源は、MB上に3ピンのコネクタが何カ所かありますので、いちばん近いところに差します、同様にCPUクーラのファンもMB上のコネクタに差します、通常CPUファン用のコネクタ位置は特定されていますので、MB上のシルクやマニュアルで位置を確認してください。
     電源LED、アクセス表示LED、リセットボタン、電源ボタン、などの配線は、MBのマニュアルと首っ引きで接続します、親切な筐体の場合、それぞれのコネクタに極性や信号名などがシルク印刷されていたりしますが、そうでない場合もありますので、そのときは線をたどって、どこからのラインなのかを確認しながら接続します、ボタン類に極性が存在したり、3色LEDではどれがどの色?なんて事もありますが、ボタンのラインとLEDのラインさえ取り違わなければ、MBにダメージを与えるようなことはありませんので、分からなければ適当に付けて、実際に電源を入れて確認するようにします。
     CD-R、DVD-ROMには、アナログオーディオ用の信号ラインがあります、このMBは、サウンドのチップがオンボードで付いていますので、コネクタはMB上に存在します、サウンドボードを使用する場合は、そのボード上にあります、最近ではデジタルオーディオ用のコネクタが存在していたりしますので、あればそれも配線します。


  3. 【グラフィックボード】
     AGPソケットにはグラフィックボードを取り付けます、一昔前なら、PCIソケットだったのですが、今ではそのようなグラフィックボードは死滅しているかのようです、通常AGPソケットには抜け止めのフックが付属している場合が多いので、これを利用してしっかりと取り付けます、このボードにはディスプレィからのかなり太めの線が接続されますので、取り付けが緩いとただでさえ接触面積の小さいAGPコネクタが接触不良を起こしたり、コネクタやグラフィックボードを破損したりする事故にもつながりますので、注意してください。

     写真のように、グラフィックボードには空冷ファンが付いていますので、隣のPCIスロットは事実上使えませんね、ここにボードを無理に付ければ付かないこともないようですが、ファンの口を塞ぐことになってしまいます。最近の4倍AGPのボードは実はかなり発熱をしますので、このファンはおろそかにできません。

  4. 【仕上げ】
     これで付けるべきものはすべて付いたのではないでしょうか、他にあるとすれば、LANボードくらいでしょうか、PCIのポートは取り付け位置によって使用するIRQが決まってしまいますので、後で移動することを覚悟して、適当なところに付けておきます。
     配線忘れがないことを確認したら、わがままに走っている線を纏めます、結束バンド等を使用してきれいに纏めてください、特にファンなどの回転部分に配線が触らないように気を付けます。