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【D.I.Y.PC(第2回目)】(2002/04/13)

 Do It Yourself っちゅう訳で、パーツが一通り揃ったので、いよいよ組立に入りましょう。

  1. 【工具など】
    必要な工具を確認します。

      ・M4またはM4.5のボックスドライバ
      ・+/−ドライバ
      ・ラジオペンチ / ニッパ
      ・割り箸??
    このほか、あると便利なもの、
      ・結束バンド(タイラップで代用も可)
      ・ヤスリ
    最低限、+ドライバ一つでも頑張れない訳ではないのですが、道具は揃っていることに越したことはありません。 ヤスリは自分の手に怪我をしないため、筐体内部のバリの出ているようなところを撫でておくためのものですから、なくても組めない訳ではありません。 結束バンドは、後々のメンテ性を左右するので極力準備します。

  2. 【筐体をバラす】
     最初に行うことは、筐体のバラシです。今回の筐体は、いまどき流行りのワンタッチ開閉式扉ではありませんので、側板は筐体背面でネジ止めされています。 側板は左右とも外します、これは背面にそれぞれ3本のネジで止められています。
     側板が外れたら、前面パネルを外しますが、 筐体によって取り付け方がマチマチですから、どのように付いているか慎重に調べます。今まで、いくつかの筐体を買いましたが、ここら辺のことが書いてあるマニュアルが入っていた試しがありません。 よくわからない場合は、販売店等に問い合わせましょう。 ある筐体の時には、幾ら探しても取り付けネジらしきものが見つからず、販売店に問い合わせたところ、「ネジは使ってないですから、パネルをそのまま手前に思いっきり引っ張ってください。」と言う回答が帰ってきて、気が抜けたことがあります。 幸いこの筐体は、左右3本ずつ、計6本のネジで止めてあることが判りましたので、これを外して目出度く前面パネルも取れました。 前面パネルは、外さなくても取り付けに支障がない場合もありますが、これは結果論で、マニュアルがない以上は外さざるを得ません。 ここで、筐体内部に入っている、付属品を確認しておきますが、多くはネジ類なのですが、数を数えるというようなことまではしません。

  3. 【母板の開梱と取付準備】
     マザーボード(MB)を開梱し、筐体へ取り付けるためのネジ位置を確認します。 おそらくは、6〜9箇所をネジ止めすることになりますので、MBと筐体のネジ穴を見合わせて、ペンなどで印を付けておくと良いでしょう。

     ネジ位置の確認ができたら、ここへ「足」を付けます、この足は、筐体によっては6角のスタッド、メタルのフック、ナイロンのフックなど様々ですから、付属品を確認して、数を合わせます。 今回のMBは、ネジ穴が9箇所ありました、筐体の「足」は、6角のスタッドが7本 とメタルのフックが2個で取り付けるようになっています。

     先ほどマークした位置へ、足を取り付けます、6角スタッドの場合、取付ネジ径はM3または、M3.5程度ですから、あまり張り切ってねじ込むと、すぐにネジ切ってしまいますので注意が必要です、また、フックは片方のツメを先に落とし込みもう片方を慎重に落とし込みます、これも張り切って押し込むとガタが大きくなります。

  4. 【CPU、メモリの取付】
     まだMBの取付はしません、先に筐体に付けてしまわないように注意してください、MB単体の時に付けておくものがあります。 先ずはCPU。

     CPUを開梱します、今回はPentium4 1.5Gですが、開梱してびっくり!、またまたヒートシンクがバカでかくなっています、Pentium3 1Gの時にも相当でかいと思っていましたが、更に大きくなっています、mPGA 478でソケットは小さくなったのですが、それが何の意味があるの?と言いたくなる大きさです。(左後のCPUチップと比較してください、間抜けなデカさが光ります)

     このヒートシンクを固定するためのプラスチック製の固定具がMBに付属しています、MBのマニュアルによると、黒いこの固定具をMB上面より押し込んで、ナイロン製の白い抜け止めを押し込むことになっています。白いナイロンの抜け止めは押し込むのに結構力がいりますので、割り箸などを使って押し込むと良いでしょう、(写真は見やすくするためラジオペンチで指し示してありますが決してこのまま押し込んだ訳ではありません^_^; )

    面倒でもドライバーの頭などで押し込まないようにします、ツルッと滑ってMBに傷でも付けようものならCPU周辺のプリントパターンを傷つけてしまい、再起不能になることもあります、このような事故は当然保証も効きませんので泣くしかありません。割り箸でも絶対安全という訳ではありません、特に、ゴマ粒程のチップ部品を跳ね飛ばしてしまうと、まず見つかりませんし、仮に見つけてもこれをハンダ付けするのは至難のワザです、また、運悪くパターンも一緒に欠けてしまったりしていると、これも泣くしかありません。
     CPUを取り付けます、ロックレバーを起こし、1ピンマークに注意して、MBと平行にゆっくり確実に差し込みます、少し引っかかるようでしたら、ロックレバーを動かしてみます、自然にストンと落ちるのがベターで、そうならないときは、向きが間違っていると思って再度確認します、間違ってもグワッシと押し込むものではありません、ピンを曲げたら終わりと思ってください、mPGA478はsocket370等に比較すると、ピンピッチが1/2になっていますので、以前にも増してピンを伸ばすという作業が困難になっています。

     次は、お化けヒートシンクです、シリコングリス等は付属していませんが、ヒートシンクの裏を見ると圧接タイプのシートが貼ってあります、と言うことは一発勝負と言うことです、何度もやり直すと、導熱部が剥離して使えなくなります、ヒートシンクを付けてしまうとCPUは完全に隠れてしまいますので、これが見納めと思って別れを忍んでください。
     ヒートシンクの両側にプラスチック製のライトグレイのレバーがありますので、これを起こしておきます、レバーの根本がカム式になっていますので、軽く鼻の脂でも塗って滑りを良くしておきます。

     先にMBに取り付けた固定具の四隅にヒートシンク側の四隅のツメを引っかけるようになっていますので、片側ずつ引っかけます、結構堅いのですが、重要なのはこの先ですから、バチンと入れてしまいます。 四隅のツメが入ったら再度全体の位置を確認し、ズレや傾きのないように調整します、問題はこれからです、先に起こしておいたライトグレイのレバーを左右均等に倒していくのですが、非常に堅いので充分に時間をかけて慎重に作業してください、じつは私は失敗しています、レバーを倒していくうちに支点の部分がだんだん広がってきて、付け根が広がるのを止めている部分を割ってしまいました、「困ったときのアロンアルファ」で事なきを得ましたが、もうちょっと何とか設計できなかったものか、と思います。
     次はメモリです、MBがi850のチップセットですから、同容量のRIMMを2枚差しします。 RIMMのカードエッジ部分の切り欠きとコネクタ部分を見合わせて方向を確認します、両端の白いレバーを倒して広げておきます、RIMMをまっすぐに差し込み、広げたレバーを起こしながら更に押し込みます、これも結構力をかけますので、MBは梱包してあった静電袋を敷いて机の上などの安定したところで作業します。
     今回採用したMBには、Intel 850 と言うチップセットが載っています、このチップセットは2系統のメモリバスを使用ししかも系統ごとにカスケード接続するため、端末にターミネータを必要とすると言う構成になっています、このため、MBにはターミネータが付属しています。

    (左下がターミネータ、右上のドライバCD-ROMの下にはジャンパ/コネクタを解説したシール、筐体のどこかに貼っておけと言うことでしょう。)


    (256MB RIMM)

     RIMMは上の写真のように金属製のカバーで表裏とも覆われています、放熱効果の程は定かではありませんが、鉄製のようなので、電磁シールド効果はありそうです。これをCPUに近い方から2枚差します、この後、ターミネータを空いているコネクタに差します。

  5. 【やっとMBの取付】
     か、と思いきやもう一つ確認することがあります。背面のコネクタ類が顔を出すパネルを見ます、今回のMBは、リアパネルが少しノーマルではありません、

    (MBの背面、ゲームポート用のコネクタ位置にUSBコネクタがある)

    (MB付属のパネル、取り付け後)

    (ケース付属のパネル)
    通常ゲームポートのコネクタが出る部分にUSBコネクタが顔を出しています、これにより、背面に4ポートのUSBポートを設けているのですが、筐体に最初から付いている標準的なパネルでは合いません、MBには専用のパネルが付属していますので、これに変えることにします、既存のパネルを[−]ドライバでこじるように外します、このパネルは使用しませんので、変形させてしまっても構わないのですが、どのように取り付けられていたのかをちゃんと確認しておき、MB付属のパネルを取り付いていた状態と同じように取り付けます。

  6. 【今度こそ、】
     今度は、本当にMBを取り付けます。すでに筐体側には取り付け用のスタッドがつけてありますので、これにあわせてMBを乗せますが、このとき、はじめに背面コネクタ側を先にはめ込み、きっちりと位置あわせをします。コネクタのパネルには何カ所かバネ状になっている部分があり、これでコネクタを押すような形になっていますので、押し返されないようきっちり位置決めをします。


     付属のねじのうち、ミリねじを探し(筐体によってはインチねじの場合もある)、紙ワッシャーを使用してMBを取り付けます、このとき、片っ端から閉め込んでしまうのではなく、最初はねじの足が少し入る程度にしてすべてのねじが入ることを確認します。筐体の仕上げ精度によっては、部分的に入りにくくなっているところもありますので、MBを少しずらすなどして、すべてのねじの足が噛むまで慎重にねじ込みます。

  7. 【ここまでのまとめ】
     今回は、MBが筐体に付くまでを解説しましたが、ここまでのポイントは、筐体にMBを付ける前に、CPU、メモリは先にMBに付けておくと言うことです、このことで、かなり作業が楽になります、MBを平らな面におくと言うことで、かなり気兼ねなくヒートシンクやメモリの取り付けに力を入れて作業することが出来ます、これが、スタッドで筐体に付いた状態ですと、MBがかなりシナって怖い想いをしますし、運が悪いと基板パターンが剥離したり、筐体のエッジのバリで二の腕を切ったりすることになります。
     パソコンの自作は、手順さえちゃんと考えておけばそんなに難しい作業ではありませんから、「D.I.Y. Part2」も長くなりましたが、後はそんなに難しいところはありませんので、Part3に乞うご期待と言うところです。