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【犬と子供】(2001/10/12)

  基本的に犬は弱者に対して寛大で、まだ歩くこともできない赤ちゃんや、よたよた歩く高齢者に対して、慈しみの目で見つめています。

 高齢者はさておいて、赤ちゃんは、時とともに成長し、ハイハイからついには自力で歩くようになり、やんちゃな時代を迎えます、この頃になると、ペットに対してもチョッカイを出すようになり、毛や耳を引っ張ってみたり、シッポをつかんだり、時には目に指を突き立てたり、悪戯の宝庫となります。

 自分の子なら、常にペットと生活をともにしているので、子供の立場からも、ペットを家族の一員、兄弟として、見ることができるので、さほどひどいことをするような事はありませんが、それはそれで、逆にペットの方が、子供のことを対等又は目下に見るようになるので、大人が子供優先の気持ちになってしまうと、犬は自分を主張するようになるようです。
 こうなると、犬たちもそうそう優しい顔はしていられ なくなり、時には子供に威嚇するようになります。

 このようなシチュエーションの中で、時に犬が子供に威嚇の噛みつきをしたとしても、即座に犬が悪いといえる でしょうか、それが例えよその子供であったとしても。

 うちには、しばしば義妹が3人の子供を連れて遊びに来ますが、子供が小さいころは、ほんとに仲良く遊んでいられた犬たちが、最近は威嚇するようになりました。

 大人の見えないところで、子供と犬の間に何かが起こったのではないか、と思っていますが、すでに関係修復の余地はないようで、特に3歳の男の子には敏感で、立ち上がっただけでも気に入らないようで、「ウ〜」と低く唸っています。

 唸ることや、威嚇することが、いけないこと、というのは分かっているようなのですが、いかんせん高まった気持ちを抑えることは難しいようで、どうしても唸ってしまいます。

 子供へはもちろんのこと、ペットへの愛情表現も充分にしておかないと、ペットの気持ちは卑屈になり、無理に注意を惹こうとしてとんでもないところでおしっこをしてみたり、何かものをかじって壊してみたり怪しい行動がみられるようになります。

 「博愛の精神」とか、小学校の頃に聞いたような覚えはあるのですが、これほどまでに難しいことだとは考えもつきませんでした。