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【我々は、戦時下にある】(2001/09/22)

とは、米国同時多発テロ事件直後に、ブッシュ大統領が発言した言葉です。
予め申しておきますが、今回のテロ事件で犠牲となった方々には心からお見舞いを申し上げますし、このような人身に重大な危険を及ぼす行為は、その背景に何があろうとも許せることではないと私は考えています。
だからこそ、発言したくなる問題を抱えていると思うのです。

どうして戦争したいのかな? と現在のアメリカの首脳陣を見てみると、なんと、かの湾岸戦争時によくテレビに出ていた将軍などがメンバー入りしているではありませんか?事情通に聞くところによると、今のブッシュ政権は「見方によっては軍事政権とも言える」のだそうで、何となく今回の流れが納得できてしまいます。

「真犯人は誰か」と言う問題に決着を付ける間もなく、「ビンラディン」と言う名前が早々に出てきて、米CIAは何か掴んでいたのではないか?と思っていましたら、事前に不穏な動きを察知していて、田中真紀子外相の訪米時には異様なまでの厳重警戒がなされていたそうです。
そこまで解っていながら、“テロと言えばハイジャックと爆破”くらいの図式は、私のような素人にも容易に想像が付くのに、まんまと4機も同時にハイジャックされるとは、アメリカの情報収集能力から類推して、未然に防ぐことができなかったことに疑問が残ります。
そうは言っても、既に事件は起きてしまったことなので、今更の感はありますが、注目すべきは、むしろこれからのことなのでしょう。

既にアメリカは、着々と「戦争」への準備を進め、諸外国に対しても「テロ側かアメリカ側か?」と言ったような選択肢のない姿勢表明を求め、世界中を戦争の渦に巻き込もうとしていること。
「戦争放棄」したはずの日本の首相までもが、「できることなら何でもやる」等と嘯いて、自衛隊の戦争参加もしてしまうかも知れない勢いでいること。
小泉さんにそんなところで「行動力」を発揮して貰わなくてもいいのですが、世界を震撼させた「日本赤軍」を輩出した国であることをお忘れなのか、はたまた、「戦争の放棄」を明文化している国であることをお忘れなのか、近頃では、「自衛隊法の改正」等という議論も出始める始末。

アメリカと一緒になって、暴走し始める日本が実は本当に心配なのです。アメリカは「聖人」の集団でもなければ「世界の警察」でもないのです。誤った方向に走ろうとするときは、誰かの助けが必要な普通の人々の「合衆国」なのです。

「テロは許さないが、戦争は犯罪だ」と明確に言い、どこかのコメンテーターが言っていた「米国の国家的ヒステリー」を冷まさせるのが、本来の日本の役割なのではないでしょうか?

「血で血を洗う」事態だけは避けて頂きたいと、切に願うばかりです。