洗いざらしのバスタオルを巻いてやり、そのまま枕元に寝かせて朝を待ちました。明け方には少しウトウトとしたでしょうか、何故か私は「昔のことが走馬燈のように…」とはならず、完全に頭の中が真っ白な状態でしたので、朝までの時間をどのように過ごしたのか記憶がありません。
取り敢えず、会社には「急用」と言うことで休みを取り、葬式を出してやることにしました。
家人が「お寺さんへ持っていくのに、何か適当な箱はないかしら」と探していたのですが、「適当な箱」には承伏し難く、近くのホームセンターで材料を買い込み「お棺」づくりを始めることに。
実はメルを看取った直後に脳裏に浮かんだのは、どうやって家人に話そうか、と言うことだったのです。予想通り家人の悲しみも極限状態で、そんなときに私も一緒になって泣いている訳には行かない、でも何もしないでは耐えられない、と言う気持ちが私に「お棺」作りをさせたのでした。
果たして、「お棺」作りも簡単に済んでしまい、メルを安置し、お寺さんへ。
日頃は、余りペットと関わりたがらない父さえも、私たちの悲しみを見かねてか、葬儀に付いてきてくれました。何故かメルにありがとう、と言いたくなりました。
今、この文章が書けるようになっていると言うことは、かなり自分的に気持ちの整理が付いているのだと思います。
先日、一周忌を行ってきましたが、実は、家人はメルの死を認めていないようで、既にお墓も買って納骨するばかりになっているのですが、肝心のお骨は未だに家にあり、流石に一年も置いておいたのでは成仏できないぞ、と脅しているのですが、まだ無理なようです。
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